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花より男子二次小説
ちょっぴり切ない物語

Lily of the valley

天使の願い 23

司は夜中に一度目を覚ましたものの、その後はぐっすりと眠りについていた。アラームの音に目を覚まし手を伸ばす。夢を見た…気がした。いつもの悪夢とは違う。けれどそれがどんな夢だったのかを思い出せない。温かな、穏やかなそんな感覚だけが司の胸に留まっていた。いつもどんよりとした朝を迎える司にとって、今日は目覚めもよく、どこか清々しい。気分よくベッドから抜け出し身支度を整え、迎えにきた西田と共に社へと出向いて...

天使の願い 22

目の前にはつくしの笑顔がある。司はその手を捉えようと手を伸ばした。けれど寸での所で届かずに、つくしの姿は消えてしまう。次に司の目に映るのは道路に横たわる血まみれのつくし。夜毎繰り返される悪夢に司の神経は磨り減っていく。誰もが司のせいではないと言う。自分が帰国していなければ…。自分が強引に送ると言わなければ…。もう少し早く気づいていたら…。手が届いていたら…。ああしていたら。こうしていたら。いつでも、何...

おとなの掟 つくしver.

あり得ない状況の中で一筋の光が射し込んだ。その光は優しく温かく私を包み込む。もう私は戻れない。その光を手放せない。ふとした瞬間に本音が漏れそうになる。そんな自分に気づいて寸でのところで想いを封じ込める。もしも本音を言ってしまったら。どうなるだろう。答えなんて必要?どう転ぶかも分からないのにそんな恐ろしいことがどうして出来るの?言ってしまえば何もかも終わってしまうかもしれないのに。今まで自由に生きて...

おとなの掟 F4ver.

暗闇の中に一筋の光が射し込んだ。その光は優しく温かく俺たちを包み込む。もう俺たちは戻れない。その光を手放せない。ふとした瞬間に本音を滑らせてしまいそうになる。そんな自分に気づいて寸でのところで想いを封じこめる。もしも本音を言ってしまったら。どうなるだろう。答えなんて必要か?どう転ぶかも分からないのにそんな真似がどうして出来る?言ってしまえば何もかも終わってしまうかもしれないのに。敷かれたレールの上...

天使の願い 21

つくしはいつもの如く小窓を覗いていた。昨日まで仏壇の前に座り込んで泣いていた両親はもういない。つくしがいたときと同様に牧野家の歯車は回り始めていた。寝ている両親を怒鳴り付けたのは昨日のこと。あまりにも出来すぎているタイミングに言葉を失った。そして1つの疑問が急浮上してきた。『もしかして私の意思を伝えることが出来るんじゃない?』起きているときの2人になら数えきれないほど声をかけ、発破をかけてきた。け...